特に厳しい作法はありません。日本茶と違うところは茶器を暖めるところと茶海を使うところでしょうか。 ここでは普段私達が行っている方法を紹介します。
最低限用意するもの
茶壷、茶杯、茶船 (深めのお皿で可)
あると便利なもの
茶海 (お茶の濃さを均一にする)
聞香杯 (工夫茶式で使用する、香りを楽しむための縦長の杯)
品茗杯 (工夫茶式で使用する、味を楽しむための杯)
茶則 (茶さじのようなもの。お茶を茶缶から取り出すときに使用)
茶通・茶杓 (茶壷の口に詰まった茶葉を取り出したり、茶殻を茶壷からかき出したり、アクをとったり)
水盂 (お湯を捨てるため。どんぶり等でも可。)
殆ど必要ないもの(私達も持っていません)
茶漏 (茶葉を茶壷に入れる漏斗のようなもの)
茶挟 (嵩のある茶葉をつまんだり、熱い茶杯を掴んだり)
蓋枕 (茶壷の蓋を置く台)
他に茶漉しのようなものもありますが、金属や塩ビのメッシュがお茶の味に影響しますので、茶海から茶杯に注いだ後に残った茶クズを水盂に捨てればよいでしょう。
お茶を煎れる手順
- お湯を沸かす。必ず沸騰させてから煎れるお茶に合わせた温度に冷ます。
- 茶壷を茶船の中に置き、茶壷にお湯を注ぎ、蓋を閉める。更に上からお湯をかけて茶壷を暖める。
- 茶壷のお湯を茶海に移し、茶海を暖める。
- 茶壷に茶葉を入れる。茶壷から立ち昇る湯気の香りを楽しむ。
- 茶壷にお湯を早く、静かに注ぐ。無理にジャンピングさせる必要はありません。少し溢れるくらいまで入れ、アクを取るために、表面張力で盛り上がった分の湯や泡を茶杓でそぎ取る。茶壷の蓋を横にスライドさせて落としても良い。蓋を閉め、更に上からお湯をかけ茶壷を暖める。茶海のお湯を茶杯に移し、茶杯を暖める。
- 蒸らし終わる前に茶杯のお湯を茶船に捨てる。茶船が一杯になってしまったらそのお湯を水盂へ捨てる。
- お茶を茶海に静かに注ぐ。そのお茶の全ての旨みを味わうため、茶壷にお湯を残さず、最後の一滴まで注ぎきる。長く置くとタンニンの渋みが出てしまうお茶もあります。
- 茶海から茶杯に注ぐ。飲み干した後の茶杯の香りも楽しんでみて下さい。
茶葉の量
茶葉の形によって同じ重さでも嵩が違います。目安としては金萱烏龍茶などの半球状のお茶は茶壷の底が見えなくなる程度、東方美人などの棒状のお茶は茶壷の1/4〜1/3程度でしょう。
水について
水道水、特に都心の水はお勧めしません。浄水器の水や軟水のボトルウォーターが理想的です。浄水器が無い場合は一晩置いて落ち着かせた水でも良いでしょう。陶器の甕や瓶ですと効果が高いようです。但し、お茶によっては硬めの水が合うお茶もあります。
お湯の温度
通常は95℃〜100℃で煎れます。温度が高いほうがスッキリと煎れられ、低くなるとマッタリとした味わいになるようです。どの温度で煎れる場合でも必ず1度沸騰させてください。
抽出時間
基本的な目安としては洗茶をしない場合、1煎目は約1分。2煎目は約40秒、以降1煎毎に10秒ずつ長くしてゆきます。洗茶をする場合は煎茶の次の1煎目は約20秒程度でお試しください。
以上が基本的な茶壷での煎れ方ですが、煎れるお茶によって、お湯の温度、茶葉の量、洗茶の要不要などが異なります。それぞれのお茶の煎れ方の説明をご参照ください。また、お茶は嗜好品です。どのように飲むのか、また、個人の好みによって煎れ方も異なってきます。まずは1度、煎れてみて、ご自分の好みに応じて調整してください。