杉林渓は台湾南投県の南西、竹山鎮に位置する高低差の激しい土地です。日本統治時代はその肥沃な土地で農業実験が行われていました。中でもこのお茶は寒暖激しく雨量豊富な標高1600m以上の高山茶。杉や竹林に囲まれた黄色い粘土質の土地で有機肥料で大切に育てられた樹齢8年程度の元気な茶樹のものです。
暖かかった2008年の冬は寒暖の差がなく、多くの茶農は冬茶の時期に間に合わせるために早摘みしてしまいました。結果、繊細さに欠ける冬茶が多い中、この生産者はギリギリまで収穫を待ち、ちょうど良く成長した一芯二葉を手摘みしました。軽い発酵と軽く焙煎した茶葉は艶やかで深い緑色です。
茶葉は厚みがあり、手摘みした茎の部分から、ふくよかな甘味が出ます。透明感のある美しいカナリヤ色の水色のお茶は、瑞々しいサトウキビの甘味と豊かな旨味があり、潤いのある山の森の空気を感じさせます。長く口中で香りたつ上品な蘭花香が特徴で、とてもエレガントなお茶です。
霧と雲に抱かれた杉林渓高山烏龍茶は柔らかで優しい味わいが特徴で、この特優レベルのお茶は最も希少で高級な台湾高山茶の一つとして珍重されています。